天然発酵建て・先染めとは
藍染めに限らず、草木染めなど多くの染物は、布に織られた状態のものを染めます。それに対して私たちが生業として受け継いできたのは、天然発酵建ての藍液を育て、糸の状態で染める=「天然発酵建て・先染め」の藍染め技法。ここではほんの少しだけ、その工程をご紹介しましょう。
藍の染料:極めて希少な国内・四国産の蒅(すくも)

藍染めの原料となる蒅。
白っぱたき:先染めの仕上がりを左右する職人の技

両腕の間で生糸が踊る白っぱたきの作業
天然発酵建て:藍液を労わり、自然と対話しながら藍を建てる

藍によって命を吹き込まれた糸が、天然発酵建て・先染めの証
野川染織独特の風合いと肌触りは、30回以上繰り返される染めの作業によって生まれます。そして、つややかささえ感じる一本一本の糸が、このあと、今なお現役で活躍する旧式シャトル織機で織られ、ベテランの縫製師たちの手で自在に姿を変えるのです。

単なる工業製品とは違う、郷土への愛を胸に。

野川染織工業、という情熱
野川染織工業の創業は、1914年(大正3年)。初代・野川喜之助が「喜之助紺屋」を興したのが始まりで、今日まで一世紀余りにわたり、最も色濃く、武州の藍染め技法を受け継いできました。


喜之助紺屋に込めた未来への道標
百余年の歴史と伝統に裏打ちされた技法や感性をいかに現代の暮らしに生かしていくか。 喜之助紺屋は、その壮大なテーマに対し、様々な角度から挑戦をしていくブランドとして誕生しました。…


天然発酵建て・先染めの
藍染め製品について
藍染め製品について
当社の藍染製品の多くは、古くから受け継がれてきた天然発酵建て・先染めの技法により作られています。そのため、青縞と呼ばれるタテ糸・ヨコ糸の濃淡や、織フシ(横方向に入る細いスジのような線)が見られることがありますが、これらは同技法ならではの特徴です。工業製品にはない、伝統技法ゆえの味わいでもありますので、何卒その点をご理解いただけると幸いです。